ファゴット奏者磯崎早苗のブログです。
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原発・福島
2011.03.18 Friday
地震から七日が経ちました。計画停電は引き続き、今日は昼間の13時からの開始でした。
福島県の原子力発電所では、今、東京電力の人たちが懸命に作業してくれています。
ここで、藝大の先輩で福島県出身のクラリネットの方の日記の一部をご紹介します。
皆さん、読んで下さい。そして知って下さい。
*******************
最後に、今まさに地元で頑張っていらっしゃる、とある方の文章をご紹介いたします。
ご一読いただけたら幸いです。
また、拡散いただいてもかまいません。
よろしくお願いいたします。
個人的には、「福島に感謝しろ」とか「福島はリスクを負わされた」とかいうことは、全く思っておりません。
僕の最大の懸念、読んでいただきたいのは以下の文章の後半、イメージや風評のことです。
(以下転用)
東京電力福島第一・第二原子力発電所。福島県の浜通りに位置しています。
東北電力ではないことに注目してください。
福島県の浜通りには東京電力の発電所がこのほかに「広野火力発電所」があります。この地域で発電された電気は、全て関東へ運ばれ、首都圏の方々が利用します。
一切地元ではこの発電所で作られた電気は利用されていません。首都圏の電気の3分の1は福島県で作られている現実をもっと報道してください。
計画停電が首都圏で実施されていて、文句を言っていたり「被災地に電気を送るためだから我慢します」と言っているインタビューを良く見受けますが、何見当違いの事を言っているのですか?
東京電力が計画停電を行っているのは、首都圏の消費電力より供給電力が下回りそうだから突然停電を避けるために予め時間と区域を決めて停電を行っているのです。
首都圏で節電してこちらに電気が送られるなら、何故東北電力まで計画停電を行わなければならないのでしょう?
自分のところの電気が足りなくなっているから自分らが我慢しているだけ、なんです。
この重要な2点をマスコミは何故報道しないのですか?
首都圏の人のために建設された発電所のために地元がこれだけ苦しんでいる現実を、何故広めようとしないのですか?
しかし、冷静になって考えてみると、地元にも雇用や補助金で還元されてきた面はあり、その点は感謝します。
でも、マスコミは「福島は危険」「放射線は身体に悪影響」しか報道されていない節があります。
後付で「このレベルでは身体に害はありません」と言うだけ。パニックを抑えるなら言う順序が逆では?
「放射線の数値が通常より若干高い値を示していますが、体に影響のある数値ではありません。各地の数値は~」と言うのが報道の仕事ではないのでしょうか?
はじめに断っておきます。
首都圏の方々を敵視しているわけでも、悪いと糾弾するつもりも毛頭ありません。
でも、あまりにも酷すぎる。
首都圏で「放射線が怖いからカッパを買いました」「マスクを買いました」「とろろ昆布を買いだめしました」と言っている方がTVに映っていました。
放射線が怖い?何キロ離れてるの?じゃぁ私達福島県民はどうしたらいいの?あなたがたが今まで40年利用してきた電気を作っていた発電所を作ったために
こういったことが起こったって事はご存知なんですか?
いつでも逃げられるようにガソリンを買いだめ?
私達福島県民は逃げたくても逃げられないんです。首都圏の方々のせいとは言いませんが、ガソリンがないため逃げられないんです。
もっと言えば、ガソリンや軽油がないので救急車もバスも、救援物資を運んだトラックも動かない。灯油がないから暖もとれない。
仮に救援物資を運んだトラックが近くまできても「放射線が~」で引き返している現状です。
それが現状です。
現在観測されている放射線数値は人体に全く問題のない数値です。
X線やレントゲン、温泉の方がよっぽど高い数値を示しています。
仮にこのまま何もなかった、普通の生活に戻った、としましょう。
今度は風評被害が間違いなく起こります。
福島県出身です。っていうだけで「放射線は大丈夫?」って思わないでください。
福島県出身の女の子だからって、子供を生む時は大丈夫なの?って思わないでください。
福島県産の野菜はとても美味しいです。
福島県産の果物もとても美味しいです。
福島県産のお米もとても美味しいです。
お肉も、魚も、みんなが頑張って作ったりとったりしたものです。
でも、福島県産、ってだけで毛嫌いしないでください。
他の自治体や国はしっかりこの点も含めて被災地の復興をバックアップしていただきたいと思います。
復興には人の力がどうしても必要です。一日でも早く復興するためには皆さんの力が必要なんです。
物資の援助もお願いしたいですが、このことも是非頭に入れておいてください。お願いします。
福島県の原子力発電所では、今、東京電力の人たちが懸命に作業してくれています。
ここで、藝大の先輩で福島県出身のクラリネットの方の日記の一部をご紹介します。
皆さん、読んで下さい。そして知って下さい。
*******************
最後に、今まさに地元で頑張っていらっしゃる、とある方の文章をご紹介いたします。
ご一読いただけたら幸いです。
また、拡散いただいてもかまいません。
よろしくお願いいたします。
個人的には、「福島に感謝しろ」とか「福島はリスクを負わされた」とかいうことは、全く思っておりません。
僕の最大の懸念、読んでいただきたいのは以下の文章の後半、イメージや風評のことです。
(以下転用)
東京電力福島第一・第二原子力発電所。福島県の浜通りに位置しています。
東北電力ではないことに注目してください。
福島県の浜通りには東京電力の発電所がこのほかに「広野火力発電所」があります。この地域で発電された電気は、全て関東へ運ばれ、首都圏の方々が利用します。
一切地元ではこの発電所で作られた電気は利用されていません。首都圏の電気の3分の1は福島県で作られている現実をもっと報道してください。
計画停電が首都圏で実施されていて、文句を言っていたり「被災地に電気を送るためだから我慢します」と言っているインタビューを良く見受けますが、何見当違いの事を言っているのですか?
東京電力が計画停電を行っているのは、首都圏の消費電力より供給電力が下回りそうだから突然停電を避けるために予め時間と区域を決めて停電を行っているのです。
首都圏で節電してこちらに電気が送られるなら、何故東北電力まで計画停電を行わなければならないのでしょう?
自分のところの電気が足りなくなっているから自分らが我慢しているだけ、なんです。
この重要な2点をマスコミは何故報道しないのですか?
首都圏の人のために建設された発電所のために地元がこれだけ苦しんでいる現実を、何故広めようとしないのですか?
しかし、冷静になって考えてみると、地元にも雇用や補助金で還元されてきた面はあり、その点は感謝します。
でも、マスコミは「福島は危険」「放射線は身体に悪影響」しか報道されていない節があります。
後付で「このレベルでは身体に害はありません」と言うだけ。パニックを抑えるなら言う順序が逆では?
「放射線の数値が通常より若干高い値を示していますが、体に影響のある数値ではありません。各地の数値は~」と言うのが報道の仕事ではないのでしょうか?
はじめに断っておきます。
首都圏の方々を敵視しているわけでも、悪いと糾弾するつもりも毛頭ありません。
でも、あまりにも酷すぎる。
首都圏で「放射線が怖いからカッパを買いました」「マスクを買いました」「とろろ昆布を買いだめしました」と言っている方がTVに映っていました。
放射線が怖い?何キロ離れてるの?じゃぁ私達福島県民はどうしたらいいの?あなたがたが今まで40年利用してきた電気を作っていた発電所を作ったために
こういったことが起こったって事はご存知なんですか?
いつでも逃げられるようにガソリンを買いだめ?
私達福島県民は逃げたくても逃げられないんです。首都圏の方々のせいとは言いませんが、ガソリンがないため逃げられないんです。
もっと言えば、ガソリンや軽油がないので救急車もバスも、救援物資を運んだトラックも動かない。灯油がないから暖もとれない。
仮に救援物資を運んだトラックが近くまできても「放射線が~」で引き返している現状です。
それが現状です。
現在観測されている放射線数値は人体に全く問題のない数値です。
X線やレントゲン、温泉の方がよっぽど高い数値を示しています。
仮にこのまま何もなかった、普通の生活に戻った、としましょう。
今度は風評被害が間違いなく起こります。
福島県出身です。っていうだけで「放射線は大丈夫?」って思わないでください。
福島県出身の女の子だからって、子供を生む時は大丈夫なの?って思わないでください。
福島県産の野菜はとても美味しいです。
福島県産の果物もとても美味しいです。
福島県産のお米もとても美味しいです。
お肉も、魚も、みんなが頑張って作ったりとったりしたものです。
でも、福島県産、ってだけで毛嫌いしないでください。
他の自治体や国はしっかりこの点も含めて被災地の復興をバックアップしていただきたいと思います。
復興には人の力がどうしても必要です。一日でも早く復興するためには皆さんの力が必要なんです。
物資の援助もお願いしたいですが、このことも是非頭に入れておいてください。お願いします。
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地震発生6日目
2011.03.16 Wednesday
こんばんは。地震発生から6日が経ちました。
まずは、前回前々回の記事で少し感情的になってしまったことをお詫び致します。
しかしながら、都知事のこの発言は決して許すことはできないと思います。この都知事の一連の発言は、なぜかテレビでは続いて報道されませんでしたが、インターネットでの様々な世論を見ていると、この発言を擁護するような考えもありました。
そういう世論の中には、マスコミの報道の仕方に躍らされているなどの意見もあったりしますが、そんな問題ではないのです。
とにかく、国を代表する都市である東京都の、まさにその代表が、天災を天罰だなんて。
今、被災地の人たちにはその発言のニュースは届いていないのかもしれませんが、それを知ったらどう思うでしょうか。
確かに、地震が起きて数日、スーパーから食品がなくなるほどの買い占めが起きています。でも、食料をめぐる暴動もないし、実際、地震発生直後の関東・首都圏ではほとんどの電車が動かなくなり、多くの人たちが帰宅難民になっても、みんな我慢して助け合いました。
私は、決して日本人は我欲なんかにまみれていないと思います。地震、津波、福島の原発。史上最大の危機と言われるこの状況を、乗り切っていけると思います。
今日の池上彰さんのよく分かるニュースでは、世界各国114もの国々からの支援が届いてるとありました。本当に涙が出てきます。
時間はかかるけど、必ず日本は復興します。
さて、この数日間で仕事はすべてなくなりました。数々のコンサートホールでの演奏会も、続々と中止になっています。ミューザ川崎のホールでは、天井が破損し、三月いっぱいはコンサートができない状況になっています。
昨日今日は、わたしの住んでいるさいたま市では計画停電が行われました。昨日はきっちり二時間、今日は二時間半ほどの時間でした。
そして、たくさんの人たちが自分に今できることを模索しています。
私は、とにかく、募金、節電をして、自分の今必要なものだけを持ち、自分にできることができるその日まで、待ちたいと思います。
一部の音楽家は、自分にできることは演奏だと、チャリティー演奏の機会を探っています。
でも、私は、食料買い占めや燃料不足、原発の影響による日々の生活で計画停電、交通機関もまだ落ち着かない中では、そのような時期はまだまだ先だと思っています。
地震発生から、仕事がキャンセルになり、何もできなくて悶々とする気持ちも分かります。
でも、まだその時じゃないと思うだけです。
被災地の行方不明者もまだまだたくさんいます。必ず、復興するその時には、音楽の力で日本に貢献していきたいと思います。
まずは、前回前々回の記事で少し感情的になってしまったことをお詫び致します。
しかしながら、都知事のこの発言は決して許すことはできないと思います。この都知事の一連の発言は、なぜかテレビでは続いて報道されませんでしたが、インターネットでの様々な世論を見ていると、この発言を擁護するような考えもありました。
そういう世論の中には、マスコミの報道の仕方に躍らされているなどの意見もあったりしますが、そんな問題ではないのです。
とにかく、国を代表する都市である東京都の、まさにその代表が、天災を天罰だなんて。
今、被災地の人たちにはその発言のニュースは届いていないのかもしれませんが、それを知ったらどう思うでしょうか。
確かに、地震が起きて数日、スーパーから食品がなくなるほどの買い占めが起きています。でも、食料をめぐる暴動もないし、実際、地震発生直後の関東・首都圏ではほとんどの電車が動かなくなり、多くの人たちが帰宅難民になっても、みんな我慢して助け合いました。
私は、決して日本人は我欲なんかにまみれていないと思います。地震、津波、福島の原発。史上最大の危機と言われるこの状況を、乗り切っていけると思います。
今日の池上彰さんのよく分かるニュースでは、世界各国114もの国々からの支援が届いてるとありました。本当に涙が出てきます。
時間はかかるけど、必ず日本は復興します。
さて、この数日間で仕事はすべてなくなりました。数々のコンサートホールでの演奏会も、続々と中止になっています。ミューザ川崎のホールでは、天井が破損し、三月いっぱいはコンサートができない状況になっています。
昨日今日は、わたしの住んでいるさいたま市では計画停電が行われました。昨日はきっちり二時間、今日は二時間半ほどの時間でした。
そして、たくさんの人たちが自分に今できることを模索しています。
私は、とにかく、募金、節電をして、自分の今必要なものだけを持ち、自分にできることができるその日まで、待ちたいと思います。
一部の音楽家は、自分にできることは演奏だと、チャリティー演奏の機会を探っています。
でも、私は、食料買い占めや燃料不足、原発の影響による日々の生活で計画停電、交通機関もまだ落ち着かない中では、そのような時期はまだまだ先だと思っています。
地震発生から、仕事がキャンセルになり、何もできなくて悶々とする気持ちも分かります。
でも、まだその時じゃないと思うだけです。
被災地の行方不明者もまだまだたくさんいます。必ず、復興するその時には、音楽の力で日本に貢献していきたいと思います。
当然です。
2011.03.15 Tuesday
石原都知事
2011.03.15 Tuesday
2011/03/11 東北地方太平洋沖地震
2011.03.12 Saturday
そのとき、私は大船の鎌倉芸術館のリハーサル室で、12日本番のコンサートのリハーサル中でした。ちょうどシンフォニーの三楽章の中盤、最初気づいた時はいつもあるような小さい揺れでしたが、次第に大きくなり、オーケストラの音はやみ・・
揺れの中、みんなパニックなりながらも楽器を片付け、とりあえずホールの外に出ました。大ホールでは、ちょうど秋川雅史さんのコンサートが行われており、たくさんの人でエントランスはいっぱいになっていました。余震が続き、ひとまず練習は中止、解散となり、明日は朝10:30に集合ということになりました。
ひとまず大船駅まで向かったのですが、まず町中の電気が停電しており、駅と駅ビルの電気がついているだけで、電車はすでに止まっていました。しばらく改札の外で電車の復旧を待っていたのですが、らちがあかず、夕方16時を過ぎた頃になってくると寒くなってきたので、まずは食料を買い、駅の中の暖かいところに避難しました。
しかし、、、どんどん寒くなり、、、、駅ナカのお店でダンボールをもらい少しでも暖かくしようと、、、、その上に座るなどして、みんなで丸くなって床に座って電車の復旧を待っていました。
夜、19時を回った頃でしょうか?電車の本日中の復旧は見込めないとのこと。駅の会議室や他への避難誘導もありましたが、まずは年配の方、体調の悪い方、妊娠中の方が優先で、その後もしばらくそのまま待機、、、、
21時頃、鎌倉芸術館からのご好意で、ホールの方に避難させて頂けることになり、ホールまでみんなで戻りました。その頃には信号や町の明かりもついていました。そして、暖かいホール二階のロビーにて、ござと座布団の上でくつろぐことができました。
これほど座布団が嬉しく思ったことはありませんでした。
私たちオーケストラのメンバー以外にも、大船駅にいた多くの方々が同じように鎌倉芸術館に避難しにやってきました。
昨日はそのまま、鎌倉芸術館で休みました。
そして、今日早朝6時頃、コンサートマスターでインスペクターのヴァイオリンの七沢さんからコンサートをやるとの連絡。
夜中じゅう、ニュースでも各地の被害を伝えていたし、朝も各地で余震が続いていました。
それでも、私たちはコンサートを決行することになりました。
朝10時半、朝7時頃から復旧して遅れているJRの電車に乗っているであろうトロンボーンのメンバーを残してゲネプロが始まりました。
オーケストラのメンバーほとんどが鎌倉芸術館で夜を明かし、きっとみんなあまり寝れていないはずです。しかし、みんな各々複雑な思いを抱えながら、無事三曲のゲネプロを終えました。
そして、本番を迎えました。トロンボーンの方々は実に朝の電車のパニックに巻き込まれながら長い時間をかけてホールに到着、無事メンバー揃っての演奏となりました。
静かにクラリネットのソロからはじまるボロディン、そしてベートーヴェンのピアノ協奏曲。ソリストの今井彩子さん、本当に素晴らしかったです。
そして、休憩をはさみ、湘南鎌倉病院の院長小林修三先生のお話。もちろん、今回の地震についてのお話からはじまり、ベートーヴェンの病の話に。
ベートーヴェンは鉛による慢性の腹痛・下痢、そして耳の病。
それでも、こんなに素敵な曲を書いている。そんな風に、小林先生のお話を聞いているうちに、やっぱり私たち音楽家にできることは、今日のコンサートで精一杯演奏することしかないんだ。そう思いました。
そして、チャイコフスキーの交響曲第5番。
あまりに有名で、多くの人に愛されているこの曲の二楽章、、、、、そのときまでに分かっていた東北を中心とする地域での被災者や死亡者の方々のことが頭に浮かび、、、、まるでレクイエムのような冒頭の弦楽器の響きに涙しそうになってしまいました。
詳しくは分かりませんが、本当にありがたいことに客席には50人ほどのお客様がいらして下さっているように見えました。二楽章の中盤くらいに少し大きめの揺れもありました。しかし、皆さん最後まで聞いて下さいました。
今日は無事に帰宅することができ、母親父親と共にいますが、これを書いている間も余震が続いています。本当に不安ですが、まだ行方不明になっている方々や避難している方々の無事をお祈り申し上げます。
磯崎早苗
揺れの中、みんなパニックなりながらも楽器を片付け、とりあえずホールの外に出ました。大ホールでは、ちょうど秋川雅史さんのコンサートが行われており、たくさんの人でエントランスはいっぱいになっていました。余震が続き、ひとまず練習は中止、解散となり、明日は朝10:30に集合ということになりました。
ひとまず大船駅まで向かったのですが、まず町中の電気が停電しており、駅と駅ビルの電気がついているだけで、電車はすでに止まっていました。しばらく改札の外で電車の復旧を待っていたのですが、らちがあかず、夕方16時を過ぎた頃になってくると寒くなってきたので、まずは食料を買い、駅の中の暖かいところに避難しました。
しかし、、、どんどん寒くなり、、、、駅ナカのお店でダンボールをもらい少しでも暖かくしようと、、、、その上に座るなどして、みんなで丸くなって床に座って電車の復旧を待っていました。
夜、19時を回った頃でしょうか?電車の本日中の復旧は見込めないとのこと。駅の会議室や他への避難誘導もありましたが、まずは年配の方、体調の悪い方、妊娠中の方が優先で、その後もしばらくそのまま待機、、、、
21時頃、鎌倉芸術館からのご好意で、ホールの方に避難させて頂けることになり、ホールまでみんなで戻りました。その頃には信号や町の明かりもついていました。そして、暖かいホール二階のロビーにて、ござと座布団の上でくつろぐことができました。
これほど座布団が嬉しく思ったことはありませんでした。
私たちオーケストラのメンバー以外にも、大船駅にいた多くの方々が同じように鎌倉芸術館に避難しにやってきました。
昨日はそのまま、鎌倉芸術館で休みました。
そして、今日早朝6時頃、コンサートマスターでインスペクターのヴァイオリンの七沢さんからコンサートをやるとの連絡。
夜中じゅう、ニュースでも各地の被害を伝えていたし、朝も各地で余震が続いていました。
それでも、私たちはコンサートを決行することになりました。
朝10時半、朝7時頃から復旧して遅れているJRの電車に乗っているであろうトロンボーンのメンバーを残してゲネプロが始まりました。
オーケストラのメンバーほとんどが鎌倉芸術館で夜を明かし、きっとみんなあまり寝れていないはずです。しかし、みんな各々複雑な思いを抱えながら、無事三曲のゲネプロを終えました。
そして、本番を迎えました。トロンボーンの方々は実に朝の電車のパニックに巻き込まれながら長い時間をかけてホールに到着、無事メンバー揃っての演奏となりました。
静かにクラリネットのソロからはじまるボロディン、そしてベートーヴェンのピアノ協奏曲。ソリストの今井彩子さん、本当に素晴らしかったです。
そして、休憩をはさみ、湘南鎌倉病院の院長小林修三先生のお話。もちろん、今回の地震についてのお話からはじまり、ベートーヴェンの病の話に。
ベートーヴェンは鉛による慢性の腹痛・下痢、そして耳の病。
それでも、こんなに素敵な曲を書いている。そんな風に、小林先生のお話を聞いているうちに、やっぱり私たち音楽家にできることは、今日のコンサートで精一杯演奏することしかないんだ。そう思いました。
そして、チャイコフスキーの交響曲第5番。
あまりに有名で、多くの人に愛されているこの曲の二楽章、、、、、そのときまでに分かっていた東北を中心とする地域での被災者や死亡者の方々のことが頭に浮かび、、、、まるでレクイエムのような冒頭の弦楽器の響きに涙しそうになってしまいました。
詳しくは分かりませんが、本当にありがたいことに客席には50人ほどのお客様がいらして下さっているように見えました。二楽章の中盤くらいに少し大きめの揺れもありました。しかし、皆さん最後まで聞いて下さいました。
今日は無事に帰宅することができ、母親父親と共にいますが、これを書いている間も余震が続いています。本当に不安ですが、まだ行方不明になっている方々や避難している方々の無事をお祈り申し上げます。
磯崎早苗
プロフィール
埼玉県出身。13歳よりファゴットを始める。 東京芸術大学音楽学部を経て、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。 桐朋オーケストラ•アカデミー修了。
2007年日本ヴィラ=ロボス協会主催ヴィラ=ロボス生誕120周年記念コンサートにソリストとして出演。2008年オーケストラアンサンブル湘南とモーツァルトの協奏交響曲を共演。2009年桐朋学園大学音楽学部嘱託演奏員。 2015年日暮里サニーホールにおいてソロ・リサイタルを開催。
これまでに、読売日本交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京ニューシティ管弦楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、群馬交響楽団、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉、大阪フィルハーモニー交響楽団、九州交響楽団に客演。
これまでにファゴットを塚原里江、岡崎耕治、水谷上総の各氏に師事。桐朋オーケストラ・アカデミーにて岡本正之、河村幹子、井上俊次の各氏に師事。室内楽を山岸博、三界秀実、佐久間由美子、水谷上総、渡邊健二の各氏に師事。
現在、フリーランスのファゴット奏者としてオーケストラ、室内楽、吹奏楽指導など多岐に渡り活動中。洗足ニューフィルハーモニック管弦楽団団員。洗足学園大学演奏補助要員。Ensemble Joyeuxメンバー。
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